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たらこスパゲティとガラパゴス

月曜日, 1月 13, 2014
たらこスパゲティはガラパゴスなのか?
今回は以下の記事を読んでグローバリゼーションとローカライゼーションについて書いてみたいと思う。

佐々木俊尚さんsasakitoshinaoの「最近、日本独自の文化にまでガラパゴス呼ばわりする事例とか散見されて、ちょっとやり過ぎだよなあと思う。」 - Togetterまとめ


”ガラパゴスの当初の定義は「国内市場に最適化されすぎたために国際競争力を失ってしまうケース」だったはず。グローバルプラットフォームの上でローカルな文化やコンテンツが流通するという構造になっていて、このプラットフォーム部分が採れないこと=ガラパゴス化。流通するモジュールがローカルなのは別に当たり前の話で、批判される理由などない。”
引用してる佐々木さんの言うとおり当たりまえの話なのだ。おしまい。
しかし、この意味を理解することは重要だと思ったので、ぼくの分かる範囲で書いてみたいと思う。
ぼくはこの記事を読んで次のツイートをした。


まず、地方独自の文化(コンテンツ)と流通プラットフォーム(グローバル)は、まったく別のものと捉えなければならない。
ガラパゴスと言えば最も有名だと思われる携帯電話は端末(コンテンツ)の話ではなく、プラットフォームの話なのだ。プラットフォームはガラパゴスと揶揄されることはあり得る。
それを、コンテンツ自体の良し悪しとして、世界と比較して批判するならEメールが使えて、アプリが動いて、インターネットに接続出来る携帯電話は当時日本にしかなかった訳だから的外れになる。
このことからも分かるように携帯電話はプラットフォームを利用する媒体なのだ。なぜガラパゴスになったのかというのは、独自OSをベンダーに丸投げしてして高コスト体質だったり、標準化の問題等々あるが本筋とは関係ないのでやめておこう。
ただ、OSをAppleとGoogleに牛耳られたものの、LINEは日本の開発チーム(元Livedoor)により絵文字やデコメの機能というのが実装され、その一つ上のレイヤーでプラットフォームとして世界を席巻しつつある点は見逃せない所ではある。場所によって得手不得手というものが文化的な背景からもあるかもしれない。それがマッチングした時に世界でもヒットすることもあるわけだ。

この辺の話はチームラボの猪子さんの話が面白い。

日本文化と空間デザイン~超主観空間~: 猪子 寿之 at TEDxFukuoka

プラットフォームやテクノロジーの普及でグローバル化が進むが一方でローカルも醸成されるのである。そして相互に影響しあう関係になる。
グローバル化が画一化というのは偏った見方で、日本にはてりやきバーガーもあれば、たらこスパゲッティもある。しかし、パスタというプラットフォームは輸入している。
これをガラパゴス化と呼ぶだろうか?
中国には野菜を洗える洗濯機だってあるぞ。
そこに生きているだけでも文化の歴史の上にぼくらはいて、無意識に刻まれているというのが動画の猪子氏の主張である。スーパーマリオから文化を語るところも面白いので是非見て欲しい。

さて、これと似たアメリカのHIPHOPも同じように発展を遂げた話を付け加えておきたい

東側と西側が盛り上がっていた90年代、全米のHIPHOPアーティストはニューヨークとロサンゼルスでレコーディングしていた。
そのせいで地方の特色はHIPHOPのメインストリームにはならなかった。
しかし、MPCというトラックメーカーが安く手に入るようになり、個人でレコーディングしてMIXテープで配るというスタイルが定番化した。
そのことがきっかけで、徐々にフィラデルフィアやボルチモア、あとはアトランタのような南部などのビートが全米、世界のシーンを席巻していくようになった。
その後はYoutubeで発表してそのままデビューするなどのケースも出てくることになる。
リズムやブームそのものは移り変わっていくものの、地方の特色のままに世界に進出できるようになったのはテクノロジーの普及であり、価格が安いことと、世界中にアクセスできることでもたらしたものである。この二つがグローバリゼーションとローカライゼーションを繋いでいる。

グローバルプラットフォームの上で特色あるローカルコンテンツが花を開く。
Glocalizationと一言で表せる便利な言葉があるが、本エントリーはその言葉の意味を独自に解釈したものになったかな。

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