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分かりあえないことを分かりあう - 朝まで生テレビ『激論!体罰、いじめ 戦後教育を問う!』を観て

土曜日, 2月 23, 2013
録画していた朝まで生テレビを観た。今回は教育問題である。
所感を残しておく。

体罰

まず体罰問題から。
人間に対する体罰は、「ダメ絶対」という結論は既に出ている。フィンランドでは家庭内での体罰ですら法律で禁止されているようである。
番組冒頭では体罰と暴力、怒ると叱るなど、定義面の話が続く。
何故日本は体罰が蔓延ってしまうのか。
これは高度経済成長期にはいわゆる体育会系社員の動員で成長してきた現実がある。体育会系は従順な兵隊であり同じことを繰り返したり製造業や飛び込みの営業など使うのに都合が良い。何も考えずに口答えもせずにただ遂行するのみが正しい。今でもこの考え方を引きずる大人は多い。だからこれを子供に押し付けてしまうようだ。
そう考えると、これは大人社会の歪みを子供が被っているだけなのかもしれない。
子供は体罰が正しいのか正しくないのか判断することが出来ない。
これは普段の日常から同調性圧力を抱えているからだ。
意味が分からないかもしれないのでぼくが小学生の頃の例を出そう。
6年生のとある春の日、クラスでは普通に授業が行なわれていた。
しかし、その日は教師の機嫌が悪かったのか、クラスが異常にうるさかったのか理由は今でも定かではないが、生徒全員が廊下に立たされて平手打ちをされていくという体罰があった。その時にこれは体罰かどうかなんて考えていなかったがあれは体罰である。
ただ、ぼくには「理不尽で理解出来ない。」という考えは既にあった。しかも連帯責任というのが特に嫌いだった。
だから平手打ちが、ぼくの番に来たときに「何故ぶたれなきゃいけないの?」と教師の手をとって静止したのである。何故、クラスの皆が平手打ちされるのを耐えるのかが、どうしても分からなかったのだ。
そうしたら、その教師は泣き出して消えていった。当然授業は中止。心配する女子達が先生を追ってクラスから消えていく。
話を伝え聞くと外の飼育小屋前にある花壇に水をやり出したようである。今考えるとその教師は「あの子の言う通りだ。何故私は手を挙げてしまったのだろう。」と泣いたのかもと考える余裕もあるが、当時は「叩くだけ叩いて止められたら泣き出すなんてアホな奴だ。最初からやらなきゃいーのに。」と思っていた。
まぁそれはさておき、話の肝はこの件でぼくが生徒側から「止めなかったら、先生が泣かなくて済んだのに。」や「何故叩かれなかったの?」とか言われたことだ。従順に叩かれる同調性圧力を乱したぼくが責められる訳だ。
これが子供は体罰が正しいのか正しくないのか判断することが出来ないという理由だ。
つまり正しいか正しくないかではなく、主体性がなく多様な意見を受け入れる余裕が子供達にもないのだ。


自殺


日本は若年層の自殺率が先進国の中でも最も高い。日本は全体でも昨年は割ったという嬉しいニュースがあったが、自殺率が毎年30000人を超えている。

日本の子供達に中国よりも自己肯定感が欠けているというアンケート結果も出ており、それは宗教(信仰心)の無さとも関係していると思うのだ。
つまり日本人には基本的な指針というものが他国と比べて無いに等しい。だから、村八分にされたり、自分が苦しんでいる時に基準となる照らし合わせる主体がない為に行き場がないのである。これを昔は拡大家族が、高度経済成長期は様々な企業達が収入という形で担い専業主婦が家庭で子供の受け皿になった。逆にこういう軸で考えるとその時代の大人達の心の受け皿として創価学会という宗教が進出してきたというのもある程度、理解出来るだろう。大抵の人間は弱いのだ。これは強くなれといって強くなるものではない。

だからどこかで受け皿になるものが必要で、それは家庭の中や地域のコミュニティであったりする。教育やこういった分野に関する投資が先進国の中でも日本ではかなり少ない。
特定の企業の延命の為に税金をバラまくのをやめ、子供手当などの親に金を渡すのでもなく、未来を担う子供達側が有効に利用出来るシステムを整備すべきではと思う。
それが結局は上記で書いてきた生き方の多様性の無さを改善することにも繫がる。ここでダメなら他に行くという選択肢がない限り、固定化された人達の中で必ず発生するいじめに対する手当はない。
石の上にも3年なんて言葉は自分が自分の目標の為に言い聞かせるならまだしも、人に押し付けることではないのだ。
特定の宗教での共通認識がない日本では、みんなで手を繋いで走るリレーではなく、『分かり合えないことを分かりあう』ということを教えていく必要がある。

教育再生


まずは行政側の責任の所在が不明確なこと、学校側にも権限がないことがそもそもの原因になっていると思う。
学校では校長を公募制にして民間から受け入れ権限を持たせたり、教育委員会は形骸化しているので第三者機関として機能するように抜本的な見直しをすべきだろうが、長くなったので今回はこの辺で。


p.s. 今回、様々な意見を言っていて良いと感じた藤原和博さんのサイトを紹介
藤原和博の[よのなかnet] http://www.yononaka.net/ 
機会があれば著書でも読んでみようと思う。

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