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所感 - ゲーム業界の現状と今後

火曜日, 1月 08, 2013
最近読んだ、日経Webの任天堂・岩田社長が語る“本当の”ソーシャルゲーム 「3DS」「Wii U」の逆襲(前編)という記事の中で、
「開発メンバーのみんなは、ソフトを何個売るかなんて誰も考えてない。遊んだ人に今度こそ満足したっていわせてみせるという執念と、自分たちも大好きなゲームをもっとよくしたいという純粋な思いで作ったんです。で、これ1本のためにゲーム機とソフト、合わせて2万円以上も投資してくださった方が何十万人も出てくださった。それは恐らく、他のゲームの仕事をしている人たちにはない作り方、他のゲームにはない現象なんだろうと、私は思います」
と書かれているが一応冷静な突っ込みを。
ソフトとハードを販売している任天堂やSONY、Microsoftの場合、ソフトは売れてもハードが売れなければグロス売り上げがないので、今回3DSのとびだせ どうぶつの森の大ヒットは任天堂にとってまさに救いの神だっただろうし、上に引用した話なんかは美談であるとは思う。

しかし実際に販売してる立場からすると、「小学生の息子がパズドラがやりたいと言ってるので」という理由や「娘がどうしてもメールがやりたい」という理由でクリスマス、正月商戦はiPodTouchがかなりの数、売れたのも間違いのない事実なのである。


パズドラを出してるガンホーなどのソフトメーカーにとってコストがかからないのなら、どのハードから出すということよりもマルチで展開出来た方がダウンロード数が増え良いに決まってるし、ハードウェアの制約が多く互換性のテストに時間が掛かる場合などは基本的に1番売れているハードが望ましい。
ドラクエなんかはずっと後者を選択している。その理屈でいうとiOSでドラクエが出る時代も来るのかな?と思ったりもするのだけど。

昨今のダウンロード販売の基本は無料なのでソフトの知名度の低いメーカー程いきなり有料化して出すというのは難しいので任天堂のような横綱相撲は取れずまずは無料でだしてアプリランキング上位に表示されないとアプリに触れてすらもらえないのである。
まぁガンホーはラグナロクオンラインの会社だから知名度はある程度あるもののランキングでトップランキングに表示されないアプリのダウンロードが極端に減るという数字が出ている通り、今は時間の奪い合いの時代なので無料のゲームはウェブサイトではおなじみのSEO対策がされてないとヒットすることはない。

TechCrunchの記事 ASO(アプリストア最適化)は新しいSEOだ。そのためのツールが出現した の中で
成功するモバイルアプリを作る上で一番難しいことは何か? もしあなたの答が「モバイルアプリを開発すること」なら誤りだ。それはアプリを見つけてもらうことだ。
というのが事実なのでソーシャルゲームというのを販売してる会社の戦略は合理的で正しいのだ。それが美しいかどうかは別として。
だから任天堂はAppleやGoogle、Amazonのようなインフラを整えて小さな金額を集金した中からマージンを取るというビジネスをしない選択をとる以上、どうぶつの森のような260万本中50万本がダウンロード販売で且つ4800円もするという衝撃のヒット作を一定の割合で出すという必要があるのだ。
しかしそれが上手くいけばまたゲーム業界はまた新たな局面を迎えることにもなるので、僕は任天堂に期待しているし未だにオワコンにはなっていなく、その動向には要注目なのである。

以上、現場からのリポートでした。

P.S. ちなみに僕もどうぶつの森はダウンロードしましたよ。売り切れがないのが便利なのに何故、所有したがるのか分からんがそれは中古市場という別問題があるからだろう。
その辺はいずれまた。


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