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インフラのクラウド化

火曜日, 4月 26, 2011
今回は日本のインフラの問題点について 物事は繋がっていて1つの事を考えると他の何かを発見をする事が多々ある。  元々、今回のブログテーマを考えるキッカケになったのは、IT業界でクラウドが注目され始めた3年前ぐらいに遡る。

クラウドとは簡単に説明すると世界各地にあるサーバーを1つとみなし、ネットワーク上から利用できる仕組みで、ユーザーが利用する際に今どこのサーバーにアクセスしているか意識する必要はなく利用できる仕組みのことだ。  ただし、実際は1つのサーバーではないので大量のアクセスがあっても分散して捌けるようになっている。まあ、これはITの話なんだけど、何にでも当てはめて考えることが出来る。

 さて、今回東北地方の震災に置いて今後の日本のインフラにおいても様々な事が問題になった。
 マスコミや政府の隠蔽体質や法律などの問題もあるのだが、その辺は取り敢えず自由報道協会(仮)上杉隆氏辺りに詳しいので見てもらうとして、本題に移ろう。

 インフラと言ってもいろいろあるのだがまずは電力次に道路そして通信。 
どれも普段の生活に欠かせない分野だと思うがシンプルに言うと今の日本のインフラの問題は冗長性がない設計だという事だ。そういうのをリダンダンシーと言ったりフォールトトレランスとか似たような言葉がいっぱいあるが、まあ大体そういうことである。

原発の問題についても安全にしていくには99.99999.....%と言う様に9を何個足していくかの問題であり100%安全という間違った規定で作っていたのも今回の事態の原因の一つであろう。
その想定も楽観的で、例えば耐震設計は震度5で、バックアップ電源は低地に設置、しかも駆動はディーゼルエンジンのみ、火災が起きた時の消火も出来る機材もないなどなど色々問題点はある。

次に停電問題は再生可能エネルギーや様々な電力の種類を1つとみなし必要な時に使えるスマートグリッドの推進が急務だろう。停電時に日本の場合平均20分以下という短時間で非常に評価が高いのだがスマートグリッドは元々アメリカで1回の停電時間が平均1時間以上もあるという事でオバマ大統領が提唱したとして有名である。で、これが実は冒頭に書いたクラウドと仕組みが似ているのである。 
今回みたいな非常時に備えて、深夜電力は余ったりしているし、昼間のピーク電力に合わせて蓄電技術などを発展させるなど、発電も様々な種類で(自家発電なども含む)ポートフォリオをどう組み直すのかという事になってくるはずだ。  それを自由に管理して柔軟な給電が必要になる。

次に道路だが、日本の道路は一本集中主義なので今後ドイツを参考にし原発避難区域の拡大があった時や震災で道路の寸断があった時にここがダメでもこっち周りから通れるという様な設計が必要になってくる。  運送手段の車のガソリン不足が問題になったので、天然ガスを燃料にした車は今の所タクシーが中心だがバスやトラックにも必要になるかもしれない。  これは燃料のポートフォリオをどう組むかということでもある。

最後に通信。 元々音声通話と言うのは、音声交換機を通して通話者同士を繋いでいる為、集中すると捌けなくてすぐ通話出来なくなる。  皆さんも年末年始や、大勢が集まる場所などで体験した事があるはず。  そこで今回の震災ではSkypeの通話やチャット、TwitterなどのSNS、大雑把に言うと IPとクラウドを使ったサービスが大活躍したわけだ。
元々、大量のアクセスがある事を想定して作られていることで文字情報の量や音声の品質は下がっても安否確認に役立った。  3つ上げた中で唯一通信だけがマシだったのは"民間企業"が"競争"してやっているからだ。歴史を見ても競争原理が働かないところでは必ず手抜きが起こる。  この様に色んな事を想定しておくことは新しいビジネスやサービスにもなり得るのである。

最後に、震災直後に始まった安否確認サービスがGoogleなどの海外発企業などであったのは少し悔しい気もするので日本の企業もその本質を問われている。  インフラに関してはこれから更に注目される分野なので今後も注意深く動向を追っていきたい。


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